不動産の生前贈与は本当に得か?
贈与税・登記費用・相続税の観点からシミュレーション
相続税対策として「不動産の生前贈与」は有効なのか?
母は養子縁組、生前贈与など出来る限りの相続対策をして亡くなりました。
母が亡くなった後、祖母の不動産を少しずつ生前贈与をした方のがいいのかもと思い、行いました。
しかし、祖母の相続をした際「ここまでやらなくてもよかったのでは…」と感じた経験から、この記事を書いています。
この記事でわかること
- 不動産の生前贈与と相続のコスト比較
- 税率と控除を考慮した贈与税の試算
- 贈与が有効なケース・不向きなケース
贈与税の申告や税務相談で迷ったら…
相続や贈与に強い税理士への相談が失敗しないポイントです。
専門家に一度見積もりを出してもらうだけでも、金額や手続きの負担が全く違います。
生前贈与が向かないケース
2024年以降の法改正により、死亡前7年以内の贈与は相続税の課税対象となるため、高齢の親が贈与を行う場合、逆効果になることもあります。
生前贈与が有効なケースとは?
贈与者が若く、不動産収入による所得税率が33〜40%と高い場合、子に贈与して家賃収入を移すことで所得税を大きく節約できる可能性があります。
生前贈与の税金比較シミュレーション
前提条件
- 親の年収:800万円
- 不動産家賃収入:年間260万円
- 建物の固定資産評価額:500万円
登記・税金コスト比較表
項目 | 相続 | 生前贈与 |
---|---|---|
登録免許税 | 2万円(0.4%) | 10万円(2%) |
不動産取得税 | なし | 20万円(4%) |
合計コスト | 2万円 | 最大30万円 |
※贈与税非課税枠内(年110万円)であっても、登記と取得税は発生します。
まとめて贈与した場合の税額試算
500万円を一括贈与した場合:
- 贈与税:約48.5万円
- 登録免許税:10万円
- 不動産取得税:最大20万円(自治体による)
- 合計:約78.5万円
親子の所得税の違いによる節税効果
親の所得が高く、子がまだ所得が低い場合、家賃収入を子のものにすることで、所得税を年間数十万円節約できる可能性があります。
所得税例(子供が家賃収入260万円得た場合):
- 課税所得:約212万円
- 税率10%、控除97,500円
- 所得税:約115,000円
結論:生前贈与はケースバイケース
贈与税や手間を考えると一括贈与のほうが効率がよいケースもあれば、毎年の基礎控除を使いながら少しずつ贈与したほうがコストを抑えられるケースもあります。
所得や資産状況、家族構成によって最適な方法は異なります。最終的には税理士の意見を踏まえて判断することをおすすめします。
📌こんな方は税理士に相談を!
-
不動産の贈与を考えているが、税金がどれくらいかかるかわからない
-
将来の相続税対策を今から考えておきたい
-
家族間でトラブルにならないよう、きちんとした手続きをしたい